あきらめない気持ち日記

吉田 和史

2011年04月27日 22:48

東日本大震災への復興支援という形で開催された

第27回全日本トライアスロン宮古島大会。

今年も多くの感動を運んでくれました。





トップは、日本人選手が男子・女子共に独占。

大会後の共同インタビューを担当させていただきましたが、

インタビューをする男子1位~6位、女子1位~3位は

全員が日本人選手。非常にめずらしいことです。



トップトライアスリートからも、一般選手からも、

「あきらめないこと」の大切さ、偉大さを

本当に実感した素晴らしい大会でした。




(スタート直後の与那覇前浜ビーチ)


今年の大会も、2年前に半信半疑で

トライアスロンスクールの門を一緒に叩いた

同期メンバーが多く出場しました。

昨年大会は、私も選手として出場し、

ありがたいことに、なんとかすべり込みで

ゴールの陸上競技場に入りましたが、

今年は宮古テレビの中継レポーターです。




ギリギリの完走を、身をもって体験しているだけに、

トライアスロンのテレビ中継レポーターとして、

レース全体を見ながらも、

やはり気になるのは仲間の動向。

中継箇所の移動中で見かけては、

位置と時間を確認し、励ましていました。





同期メンバーの中には、惜しくも昨年関門時間に

間に合わなかった方や、今年初めて参加する方もいます。

この一年間、様々な思いでトライアスロンの

練習をしてきました。




ある初出場の仲間は、かつてプールで25メートルも

泳げませんでした、本当です。

一緒に練習しながら、隣のレーンで見ていましたから。



そんな彼女が、海を3km泳ぎきり、

バイク制限時間ギリギリで、最終種目のランに入りました。

私はその直後に見かけ、応援し励ましたものの、

「このあと大丈夫だろうか、間に合うだろうか」

と、かなり心配でした。



関門時間はいくつか設定されていて、制限ギリギリで

通過した場合、次の関門に間に合わないことが多いのです。

完走はしてほしいけど・・・実際、間に合うのだろうか、

ダメだった場合、どうやって声をかけようか、

そんなことが、頭をよぎりました。



しかし、あとから話を聞くと、走っている本人は違いました。

「完走するには、1km7分ペース」

そう、冷静に計算していたそうです。

実際、昨年、バイクの制限時間ギリギリでランに入り、

猛烈に追い上げ、ゴールに駆け込んだ仲間がいました。

(しかも、私、抜かれました)

その経験談もしっかり聞いて頭にあったそうで、

「大丈夫、私、間に合う」

満身創痍の体に言い聞かせたそうです。



そして、完走したい一心で無我夢中で走り、

前方を走っていた同期の初出場メンバーに追いつき、

一緒にずっと励まし合いながら、走っていたそうです。

決して歩かないように、そして7分を維持するように。



昨年、私は選手として出場しているのに

大事なことを忘れていました。

「通過タイム」だけが、完走できるかどうかの

基準ではないのです。

周りがなんと言うと、大切なのは、

「あきらめない強い気持ち」。



走っている本人達が、

一番、自分を信じていたのでしょう。

そして、その2人は、ゴールの陸上競技場の門が、

制限時間で閉まる寸前、最後の最後に、

駆け込んできました。



「沿道で吉田君に会えてよかった、力になりました!」

「揺るぎない気持ちは、不可能を可能にするんだねぇ」

そう、後日、2人からメールがありました。






(翌日の交流会で、トライアスロンの感想を話す2人)


そして、昨年惜しくも完走ならなかったメンバーも、

今年、念願の完走メダルを手にしました。




(今年の完走メダルですよ~)


自分がトライアスロンに出たときは無我夢中で、

「絶対にあきらめない」とは思っていたものの、

そのことを、客観的に考えることはできませんでした。

しかし、今回、仲間のトライアスロン挑戦を見て、

「あきらめないこと」の大切さ・偉大さが、

昨年の自分のトライアスロン体験と重ね合わせて、

しっくりと体に入ってきました。




アスリートの皆さん、感動を、そして挑戦する勇気を

いただき、ありがとうございます。




またいつか、自分も挑戦したいなぁ・・・

そう思った一日でもありました。

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